| 第3回 |
| |
| ギターストローク編 |
| 耳コピ講座第3回目は、ギターストローク編に入ります。DTMの難しい楽器の一つとして、ギターストロークが挙げられます。今回は、その難しいギターストロークにチャレンジします。 |
| |
| ギターのストロークには、ダウンストロークとアップストロークがあります。ダウンストロークとは6弦(低音弦)から1弦(高音弦)を鳴らしていく奏法で、アップストロークはその逆になります。 |
| しかし実際には瞬時に音が鳴るため、聴いている方はそういう認識が余りありません。 |
| 多くのMIDIの参考書では、1音1音のタイミングをずらすことでギターらしさを出すと記述されています。 |
| |
| 8ビート |
| ただ入力しただけのものサンプルA(サンプル1にあたります)に手を加えサンプルB(サンプル6にあたります)になるように解説します。 |
| |
| |
| ここでは、前半はタイミングはずらさずにギターらしさを出すことを試みます。 |
| 8ビートから説明します。下の楽譜を見てください。弾き語りなどで見られるギター譜です。 |
 |
| |
| 「C」のコードで演奏すると、DTMでは下の楽譜になります。 |
 |
| |
| Vel(ベロシティ)80(127MAX)、GT(ゲートタイム)100%で入力してみましょう。 |
| サンプル1 |
| |
| これではギターを弾いているように聞こえませんね。ギター譜をよく見てみるとアクセント(>)が付いていると思います。 |
| このアクセントこそがギターらしさを出す「かぎ」となります。通常4/4拍子の場合、2拍目と4拍目にアクセントが付きます。 |
 |
| 耳コピとは少しずれますが、ライブの弾き語りではよくカッティングが使われます。2拍目と4拍目をGT20%にしてみましょう。 |
| サンプル2 |
| |
| これだけで、かなりギターらしく聞こえると思います。しかしCDなどのスタジオ録音では特別な場合を除いてカッティングは使わず、楽譜通りの2拍目と4拍目にアクセントが付いた演奏になります。 |
| では、2拍目と4拍目のGTを100%に戻しそのまま2拍目と4拍目及び3小節目の全音符をVel 100にします。 |
|
| サンプル3 |
| |
| どうでしょう?少しうるさいですよね。 |
| |
| 次に、これもMIDIの参考書で見られる方法ですが(ストロークの場合)ベースのルート音の上の音を抜く、というものです。 |
| 今回の楽譜で言うと「ミ」の音になります。3小節目の全音符は「ミ」を抜いても抜かなくてもどちらでも良いと思います。ここでは抜いてみましょう。 |
 |
| |
| それを入力したのが次のサンプル4です。 |
| サンプル4 |
| |
| それでも、聴き方?によっては全てダウンストロークに聞こえてしまいます。それでは次に、アクセントを強調するために2拍目と4拍目以外をもう少し弱くしてみましょう。ここで単純に音を弱くしても良いのですが、少しギターストロークについて考えてみましょう。 |
| テレビなどでもアーティストなどがギターを弾いている姿をよく目にします。一見、腕を使い弾いているように見えますが、よく見てみるとひじより先を使っているのがわかります。更によく見てみると手首が柔らかく動いているのがわかります。 |
| 実際には、ギターストロークは手首を柔らかく返しながら弾いているのです。その反動をつけるために腕を動かしているようなものなのです。 |
| そのことを踏まえ(ここではこれ以上の解説をしませんが)、音の強弱を考えるとアップストロークはダウンストロークに比べ、高音が強く低音が弱くなります。 |
| 8ビートの場合、ダウン、アップの繰り返しなのでアップストロークは全て裏のリズムになります。 |
| では、アップストロークのVelを高い音符から順に「90、80、50、40」としてみましょう。 |
| ダウンストロークも曲層にもよりますが、やや高音が強くなります。アクセントの拍以外のダウンストロークを「80、70、60、50」とします。 |
 |
| サンプル5 |
| |
| これで全てダウンストロークには聴こえないと思います。これは音色の違いを出すことでダウンストロークとアップストロークの違いを表現しているのです。それに、ダウンストロークが上から下へ、アップストロークが下から上に弾いているように聴こえるのは、先入観です。ギターのような誰もが知っている楽器は、ギターらしさを出すと後は聴いている方の先入観が助けてくれます。 |
| 最後に1拍目と全音符のDevをずらします。Devをずらすときは高音を+(プラス)でずらすのではなく、低音を−(マイナス)でずらしましょう。 |
| サンプル6 |
| |
| 特に1拍目のDevをずらす必要はありませんが、1拍目をずらすことでそれ以降も同じように弾いていると錯覚させます。今回はかなりずらしましたが耳コピする場合は注意深く聴いてみてください。 |
| |
| |
| |
| |
| 16ビート |
| ただ入力しただけのものサンプルCに手を加えサンプルDになるように解説します。 |
| |
| |
| 16ビートは、8ビートよりもギターに聞こえづらいです。早速ギター譜を見てみましょう。 |
 |
| |
| こちらも「C」のコードで、DTMでの楽譜は次のようになります。 |
 |
|
| Vel(ベロシティ)80(127MAX)、GT(ゲートタイム)100%で入力してみましょう。 |
| サンプル1 |
| |
| 8ビートよりも更にギターに聴こえづらいですね。行う作業は基本的に8ビートと同じです。 |
| 但し今回の場合のダウンストローク、アップストロークは8部音符がダウン、16部音符がダウン、アップの繰り返しでダウンから始まります。 |
| つまり実際の手の動きを考えると同じ16ビートのリズムで動いていて、8部音符をダウンストロークで弾いた後、手は何も弾かずに上に戻していると言うことです。 |
| |
| アクセントは8ビートと同じように2拍目と4拍目に付きます。 |
 |
| では、2拍目と4拍目及び3小節目の全音符をVel 100にしてみましょう。 |
| サンプル2 |
| |
| 次に「ミ」の音を抜きます。ここでは、最後の全音符は「ミ」を抜かずにそのままにしてみましょう。 |
 |
| |
| 聴いてみましょう。 |
| サンプル3 |
| |
| 8ビートと比べるとまだまだ遠いですね。 |
| 次に、ダウンストロークのアクセント以外のVelを高い方から「80、70、60、50」にしてみましょう。 |
| アップストロークを「90、80、50、40」とします。 |
 |
| 聴いてみましょう。 |
| サンプル4 |
| |
| アクセントに少し違和感を感じます。8ビートでは感じませんでしたが、16ビートのように次から次へ音が流れるビートではアクセントだけ均一なので、違和感を感じるわけです。 |
| アクセントにも強弱を付けてみましょう。Velを高い方から「110、100、90、80」とします。 |
| サンプル5 |
| |
| |
| これで完成です。曲パターンよってはタイミングをずらして、よりギターらしくしてみてください。 |
|
|
|
|
|
|
| |
|
| |
| |
| |
| |
| Aワンポイント |
| ブラスについてです。トランペットやトロンボーンと言ったブラスは、ポップスではあまりメロディーを演奏することはありません。 |
| しかしメロディーを演奏する場合、ハモリはメロディーよりも低い音で付けます。 |
| |
| トランペットと言う楽器はピストンを押さえることで音程を変えますが、そのピストンは3つしかありません。 |
| 3つと言うことは、押さえ方は全部で8通りです。ではトランペットが8つの音しか出ないのかと言うとそうではありません。 |
| 低い音からかなり高い音まで出ます。つまりトランペットはピストンの同じ押さえ方で、違う高さの音を出すことが出来るのです。 |
| 同じ押さえ方で違う高さの音をどうやって出しているのでしょう。 |
| 例えば、低い「ド」と高い「ド」は、同じ押さえ方です。唇で調節する人もいるようですが、正しい吹き方は高い「ド」は低い「ド」と比べ強く(強くという表現が正しいのかはわかりません)吹くのです。 |
| すると当然、高い音の方が大きくなります。ハモリをメロディーよりも高い音で付けると、メロディーよりも大きくなってしまうため、ハモリはメロディーよりも低い音で付けるのです。 |
| |
| そのため実際の演奏ではハモリは低い音で付けていますが、メロディーよりも小さく高い音で付けることが出来るのがDTMです。DTMは実際には存在しないサウンドを作ることが出来るのです。 |
| |
|
| |
| |
| コラム |
| 作曲 |
| 昨年作曲の依頼が来て、曲を作ったことがあった。ヨサコイソーランの関係らしいのだが、私自身ヨサコイソーランがどういうものかはよく知らない。 |
| 依頼を受けたときに簡単に内容を教えてもらった。TV番組のドラマから火が付いたもので、現在は日本全国でオリジナルの曲と踊りで大会や催しが盛んらしい。 |
| |
| 私が依頼を受けた団体の条件は簡単で、楽しく踊れればいい というものだった。 |
| 私の役目は「作詞・作曲・編曲・録音・・・」、つまりその団体が踊れるCDを作ることだ。 |
| これがなかなか難しい。ポップス畑でバラード好きの私にとって、「楽しく踊れる」は難しいのだ。 |
| しかも、民謡が基になっているため日本の音階を使用しなければならない。はっきり言って日本音階の知識はほとんど無い。ここはやはり日本音階と言えば「四七抜き」だろうと言うことで、メロディーは「四七抜き」で作った。 |
| (「四七抜き」とは、簡単に言うと音階の四番目と七番目を抜いて作るやり方である)編曲の際に、ベース音も「四七抜き」にしてやると民謡っぽく聞こえる。これに間奏なども含めた伴奏が入る。陽旋法や陰旋法をちりばめ編曲の際に鼓(つづみ)などの日本の楽器を入れると、あら不思議、何とか出来上がったではないか。 |
| この作品に私の薄っぺらい日本音楽の知識は使い尽くされたようだ。もし次に依頼がきたら、頭を逆さまにして転がしても発想は出てこないだろう。 |
| |
| 次はいよいよ歌の録音だ。 |
| 歌は友人に頼む予定だったが、その団体にも上手な人がいると言うことで、その人に頼むことになった。 |
| 他の団体との違いを出したいということから、コーラスとして子供たちの歌も入れることになった。 |
| 田舎なのでスタジオなどはない。私が機材を持って民家に向かう。機材はミキサー・マイク・マイクスタンド、モニター用のヘッドホンなどである。録音はノートPCを使う。マイクは数万円で、あまり良くもないが一般家庭のカラオケ用よりは良いだろう。 |
| 機材を運んで驚かれた。「なぜこういう機材を持っているの?」という目で見られる。確かにそうだ。ミキサーやマイクは機械というイメージなので趣味の範囲で持っているのだろうと思われるのだが、マイクスタンドは引いてしまう。 |
| 何のために持っているの?と思うだろう。実際私も何のために買ったのか覚えていないし、買ったときの心境を思い出せない。 |
| |
| 子供たちの録音が始まった。何度も録り直した。結局良いところをつなぎ合わせ編集することになった。 |
| 日を改め、ヴォーカルの録音。2人いて、交代で歌うことになった。やはりオリジナルは難しいのか、普段は確かに上手だろうと思うのだが上手く歌えない。 |
| しかし勘が良いのか、こちらのアドバイスを十分に理解しているようだ。それを歌に表現できるかが難しいのだが・・・。 |
| 余談ではあるが、私が歌を指導するときいつも言う話がある。それは「プロの歌は聴けば聴くほど良くなる。だからCDの売り上げが伸びてくる。アマチュアの歌は聴けば聴くほど飽きがくる。だからカラオケで同じ歌を聴くとまたかと思う」である。 |
| 私は、人の歌を録音するときは何度聴いても飽きが来ないような出来栄えを心がける。 |
| |
| 結局こちらのヴォーカルも良いところをつなぎ合わせることとなった。私もためしに知り合いののどに自信のある人に歌ってもらった。が、その団体の歌が1番良いようである。よかった。 |
| |
| CDが出来上がったが、結局子供たちのコーラスが1番良かった。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|